2014年11月19日水曜日

11月23日〜29日マイニチガキセキ そしてケーキと知らない人からの電話



  今月23日日曜から29日土曜まで 京都市役所のすぐ近くのビルで、「マイニチガキセキ」に参加させていただきます。文字どおり毎日いろいろな世界を見せてもらえるイベントです。
sokuatsuは25日火曜以外はやってます。お時間ありましたら、京都散歩とあわせていらしてくださいね。

         *     *     *
  何年か前に近所の病院で初めての内視鏡検査を受け、良性のポリープがあり、
一応とっておいたほうがいいからということで、大学病院を紹介していただき、もう一度検査をして
結果をききに行った日でした。
 診察室で先生が一瞬、間をおいて「あなたの腫瘍は悪性でした」と言われました。

 そのあと診察室を出て、お留守番しているまだ小学生だった娘と母にショートケーキを買って帰りました。母には、帰る前に電話で知らせてあったので、いつものように、「おみやげあるよー」
とケーキをだしたら、ふたりがとてもうれしそうに、「わあ、おいしそう!どっちにする?半分こする?」と言いながら、食べている様子をみて、涙がでました。
 わたしが買ってきたケーキを喜んで食べてもらえる。それが、こんなに幸せな光景だったんだなあ。気が付いてなかっただけで、きっと毎日こんな風なことをたくさん見過ごしていたんだ・・・
と、思いました。

 
 
 それからバタバタと手術の日が決まったある夜に夢をみました。
知らない男の人からの電話でした。
「ぼくは以前あなたと一緒に働いていた者です。今はちょっとヤバイ仕事をしているけど、もうすぐ
ぼくは死ぬんです。でもあなたのことが、ずっと好きで、あなたのことを忘れたことはありません。
さようなら」
電話をきった後も誰だかわかりませんでした。その後その人の住んでた家を訪ねてみたら(夢ですからね)周りが殺伐としたところにあって、中はがらんとしてて、ああ、電話の人はやっぱり死んじゃったんだな・・・と思って目が覚めました。
 目覚めてしばらくぼんやりしていたら、ふいに、あの電話の人は悪性腫瘍の細胞だと思いました。
もとは普通の細胞だったのに、身体へのストレスやいろんなよくないことが重なって悪性になってしまったけど、わたしを苦しめようと思ってなってしまったんじゃなくて、仕方なかったんだ。でもわたしのことをずっと好きでいてくれてたんだ。
 死ぬっていってたから、わたしちゃんと大丈夫なんだ。教えてくれてありがとう。つらい目にあわせてしまってごめんね。
 そう思って、涙がでました。

 そのおかげで、入院して手術をうける日、大学病院の長い廊下をゴロゴロと運ばれる時まで
ずっと静かな気持ちで過ごすことができました。

 
10日ほどして退院でき、自宅で娘と話していた時、
「おかあさん、元気になれると思う?」
と言ったら、娘が、
「絶対なれる。だけどあせったら、前とおんなじぐらいしかなられへん。でもゆっくりしたら、前より元気になって働けるぐらいになるから」
と言ってくれました。

そしてその通りになりました。

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