初めて参加の去年の6月のナチュラルマーケットでは、どきどきしてそこにいるのが精いっぱいな風でした。
たくさんのよいことを経験させてもらったナチュラルマーケットに
感謝の気持ちをこめて受けてくださる方に小さなお福分けをお渡しします。
小さくお楽しみに。
* * *
やわらかな女性ヴォーカルのカヴァーアルバムの中の曲をきいていました。
とても素敵な昧爽(あさあけ)どきを 通り抜けてたら・・・
というところで、わたしも忘れない夜があける時の空があったとおもいました。
夕暮れどきに帰る前にもう一度下宿のアパートのドアをノックしたら、その人が顔をだして、
「ああ、あっちゃんをこのへんで見たってきいたから、いいひんか探しててん。よかった。入り。」
と言われて、部屋に入りました。
あっちゃんとよばれていた10代の終わりの夏のはじめでした。
学校のイベントで話すようになったロングコートの似合うひくい声が心地よい人でした。
そのころ、わたしは、自分のことが全然好きではありませんでした。セクシーさのかけらもない顔も、小さい胸も、他のこともコンプレックスだらけでした。
でもわたしはこんなだけど、女の人も男の人もすてきな人はいっぱいいてうれしいな、と思っていました。そのすてきな人たちがみんな好きでした。
その人はひときわすてきにおもえました。
その人が、わたしに声をかけてくれたことがうれしくて、もう一度だけ会いに行きたくて、でも帰ろうかなあと思いつつしたノックでした。
部屋に座ったらラジオから知らない歌がながれていました。
夜に男のひとの部屋にいるのは初めてでした。
明け方、その部屋の小さなベッドからおきて、部屋の外にあるトイレに行きました。
そのとき見上げたら、むこうのほうにほんのりあかるみが見える夜明けの空でした。
大人になって初めて見るような空でした。
その空をみたわたしは、その前のわたしとはちがうようにおもえました。
ただしくも、やさしくも、つよくもなく
あふれるエネルギーをとんちんかんに使ってばかりで
自分を好きになれなくて、
誰かに見つけてもらって、好きになれる自分を見つけたかったわたし。
そのときの空を見たこと、
それはふたりのおもいでにはならずに、わたしだけのおもいでですが、
わたしの中で、きえない空になりました。
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